
好感触の斉白石
M独走、S復活フアストフードでは最大手の日本Mが気を吐く。
九五年のハンバーガーなどの価格引き下げを手始めに進める低価格戦略を、九八年は一段と徹底。
夏休みに照準を当てて主力商品のハンバーガーを一個六十五円、チーズバーガーを八十円で販売する半額キャンペーンを行い、それぞれ個数で前年同期の十倍を販売した。
Mフードサービスをはじめとするライバル各社は、ハンバーガーのボリュームや質を訴えて低価格戦略とは一線を画した販売戦略を展開したが、シェア六割を占めるMに押されがち。
Mフードが経営方針を巡り九八年末に社長が二度替わるなど、二番手以下のチェーンは揺れている。
手作り感を売り物にしたハンバーガーのFバーガー(東京・渋谷)が、東京を中心に店数を増やして注目を浴びる程度だ。
ファミリーレストランでも最大手のSの復活が鮮明となってきた。
低価格「G」の客離れで低迷していたが、九八年からは割引クーポンを付けた新聞広告や折り込みチラシを使った販売促進活動を推進。
九月から既存店売上高がプラスに転じた。
同年十二月期決算ではバブル期に手を広げた不採算事業を清算。
さらに九九年七月付で子会社の中華レストランで業績を伸ばすBを取り込み、全国展開を目指す。
九九年六月にはJや藍屋を含めグループ一千店を達成した。
「D」のDジャパン、「Rホスト」のロイヤルなども、割引クーポンやスタンプカードを使った販促、ポイントカード導入などで追撃したが、イタリア料理のサイゼリヤや焼き肉の安楽亭など、専門レストラン的な中堅企業の追い上げもあって、業績回復への決め手を欠いている。
店舗間競争は厳しくなる一方で、大幅な店舗閉鎖を行ったフォルクスのように優勝劣敗も鮮明になってきた。
今後は米国のように、資本系列の異なる企業の合併によるリストラが進むという話もささやかれる。
沈滞ムードの外食産業で好調さが目立つ業態が喫茶。
最大手のDコーヒーが大量出店を続けるほか、Sコーヒーをはじめとする外資系チェーンが、軽食需要も取り込んで市場を活性化している。
S商事が子会社を通じてイタリア最大のコーヒーチェーン「Sフレード・ザネツティ」を東京に出店、Mやロイヤルもカフェチェーンの展開に乗り出すなど、外資や異業種、異業態からの進出も盛んだ。
回転ずしも引き続きブームで、Sが東京都練馬区のGを業態転換して「魚屋路(ととやみち)」という実験店を出したように、異業種、異業態からの進出も相次いだ。
低価格をアピールする店も増えており、宅配ずし大手の味よし(横浜市)は東京・渋谷に時間制の食べ放題店を出し、元気寿司や「K寿司」のK・クリエイトは、一皿百円均一の店を増やしている。
食材・調理の安全管理に取り組み外食と家庭の料理(内食)の間の「中食」市場を狙った動きも活発だ。
外食産業総合調査研究センターの推計によると、九八年の料理品小売業の市場規模は前年比一・九%増の三兆七千億円。
この統計に含まれない総合スーパーや百貨店が直接販売する弁当や総菜、コンビニ店の弁当類の販売額も、Sイレブン・ジャパンだけで年五千六百六十億円に達する。
こうした成長市場をにらみ、米国で広がったHMR(ホーム・ミール・リプレイスメント家庭料理に代わる調理済み食品)の考え方を取り入れた店舗を開発する外食企業も増えている。
オリジンTがおかずや料理を選べる量り売りで先べんを付け、接待自粛のあおりで伸び悩む料亭や高級料理店も注目。
柿安本店は九八年十二月に三重県松阪市の本社に、作りたてのデリカ総菜や焼き立てパンを扱う「グルメプラザ」を新設。
中国料理の蒋珍楼(横浜市)、高級和食の灘万(東京)などもHMRの考えを取り入れた総菜店の展開を進めている。
一方、調理過程の安全管理に一段と関心が高まっている。
九六年のO(オー)157による食中毒事件を契機に有力企業が相次いでHACCP(ハセップ危険度分析による衛生管理)導入を進めている。
品質管理の国際規格「ISO」で安全性をアピールしようという企業も現れている。
Kジャパン、Mなどが製造管理のIS09000シリーズを、居酒屋のWフードサービスや給食会社のグリーンハウスが環境管理のIS014000を取得した。
有機食品も一段と広がり遺伝子組み換え食品の使用可否が話題となる中で、有機食品の利用も広がる。
MフードやSフードシステムズ、給食会社のニッコクトラストなどが早くから有機野菜を取り入れてきたが、九八年はSとJが主力商品のハンバーグ素材を抗生物質を使わずに育てたナチユラルビーフに切り替えた。
原材料への消費者の目も厳しくなっており、Sフードは九九年春から、ファミリーレストラン「カーサ」で小冊子を作って食材の情報開示に取り組んでいる。
サービス業界不況が促す地殻変動長引く景気低迷がサービス業の地殻変動を促している。
長年、売り上げに占める宴会・飲食の構成比が都市ホテルで平均七割という、法人需要頼みの収益構造に甘んじてきたホテル業界は不況と新設ラッシュによる競争激化に見舞われ、構造変革を迫られた。
企業のリストラが相次ぐ中、需要が縮小、各社の経営を直撃した。
一方で、市街地再開発から生まれたホテルが続々と登場、宿泊料金の低下傾向に拍車がかかるなど競争はますます激化している。
会計制度の変更に伴って連結経営の時代に突入、これまでのように親会社との関係が暖昧なままでは済まされなくなったことも、経営の余裕をなくし投資力を減衰させた。
象徴的だったのは九九年三月末のホテルプラザ(大阪市)の閉鎖。
老朽化が進み、相次いで新設ホテルが登場する大阪ホテル戦争の中で競争力を失った。
改装など設備投資の余力もなかった。
老舗ホテルの苦戦をしり自に収益管理を得意とする外資系が続々と進出しており、新旧交代を感じさせる。
個人需要の収縮で打撃を受けた旅行業界。
海外出国者数は九八年十二月まで十六カ月連続で減少。
九八年は二月にジェットツアー、十月に四季の旅社が破たんした。
個人旅行は九九年に入ってやや持ち直したが、社員向け報奨旅行など団体需要は依然減少傾向で厳しい状況が続いている。
成長分野の通信だが、九九年五月にポケットベル専業の東京テレメッセージが設立からわずか十二年半で経営破たんした。
中高生の間に「ベル友」ブームを引き起こしたのもつかの間、九五年をピークに加入台数が減少。
設備投資負担に耐えきれなくなった。
ここ二年間、加入台数が一千万台規模で増加している携帯電話でも再編の幕が切って落とされた。
N自動車が保有するデジタルツーカー六社の株式をJR系新電電のNテレコムに、ツーカーセルラー二社とツーカーホン関西を新電電大手のDに売却、携帯電話市場はNDとDT自動車、Nテレコムの三系列に集約される。
巨額の投資を必要とし、技術革新のサイクルが早い通信分野の新陳代謝のすさまじさを見せつけた。
チケット取り次ぎ業界ではS系列で業界二位のエス・エス・コミュニケーションズが店舗網を閉鎖、ソニーと新会社を設立して無店舗に特化する方針を打ち出した。
ソニーの参入とネット販売という組み合わせは業界の歴史的変革を予感させる。
制度改革で広がるビジネスチャンス二OOO年四月の介護保険制度施行は、民間企業に巨大市場をもたらす。
訪問介護や福祉器具レンタルなど、保険対象となる市場だけで四兆円超。
今までは社会福祉法人などが独占してきたが、規制緩和で民間企業が活躍できるようになっただけにN学館、Bコーポレーシヨン、M電工など大手企業は早速ヘルパー派遣拠点などの展開に着手。
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